★彗星

何週間にもわたり、占星術師たちは世界的な経済危機の原因を探ろうとしています。私たちは星が告げる予兆を見逃したのでしょうか?見逃したどころか、昨年末に私たちは夜空で明るく輝いたホームズ惑星をしっかり目にしました。ただ、その時点で私たちは幻惑させられたのです。今回のできごとには前例がなかったわけではないのですが、まさか不況といった世俗的なできごとの前兆になろうとは夢にも思わなかったのです。通常、彗星は体制の終焉や支配者の凋落を予告しますので、ほとんどの占星術師たちは特定の政治体制が突如として崩壊することを予測したのです。もっとも、そんなできごとはこれから先に起こるかもしれませんが!
★ホームズ彗星
ホームズ彗星……それはいかにも無害に響きます。夜空で輝く彗星は実に美しい光景でした。その彗星がなぜあのような大混乱を引き起こしたのでしょう?何も私は、宇宙の前兆と銀行の倒産との間に因果関係があると言おうとしているのではありません。目に見えない天と地のつながりが景気後退をもたらしたわけではないのです。空を時計の文字盤だとしたら、星は時計の針のようなもの。そこに彗星が突然現れるということは、とても劇的なできごとが起こることを意味します。結果的に、これから明ける新時代は今までよりもよい時代になるかもしれません。
★一時的低落
これから暗いできごとが一、二回起こったあと、経済はそのままの状態を保つでしょう。満月はこれから欠けていきますし、水星は逆行から順行に転じました。今や私たちはホームズ彗星がいかに重要な予兆だったかを理解しました。私の計算によれば、これから事態は落ち着いていくと思われます。落ち着くといっても、停滞するという意味ではありません。多数の悲観主義者たちは、今回の災難の波が経済全般に行き渡り、問題が起こることを予想しています。彼らは陰気にほくそ笑みながら、インフレが暴騰し、不動産価格が急落し、失業が疫病のようにはびこることを警告しています。でも私の予想は違います。
★前回は……
ドラマチックな彗星が夜ごと現れたら、長期におよぶ変化の波が起こると言われています。今をさかのぼること1892年、ホームズ彗星が現れたとき、アメリカは未曾有の経済危機に見舞われました。「1893年のパニック」は鉄道の資金繰りにまつわる問題が引き金となって起こったのです。これは信用逼迫、相場の突然の暴落、そしていくつかの銀行の倒産へとつながっていきました。しかし、1896年にクロンダイク(カナダ中西部の地域で金産地)からニュースが入ってきてゴールドラッシュ(金鉱発見による大移動)が起こり、その後アメリカは10年にわたる好景気に沸きました。昨年末、1892年以来初めて、ホームズ彗星が現れました。